ETIC.インターンシップフェア

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落合拓史 さん

大学・学年(インターン当時)
東京学芸大学4年
インターン先
株式会社ブイ・フォース(実際はブイ・フォースの投資先である、株式会社フィードバックジャパンとケアプロ株式会社に出向し業務に従事)
インターン期間
2009年9月~2010年3月
仕事内容
VCの立場からの新規事業立ち上げ支援

Q.就職留年をするということ、休学するということを決めた一番のきっかけは何だったのか?

最初は、大学やサークルで国際問題について勉強していたので、社会起業家(マザーハウスの山口恵理子さんやグラミンバンクのムハマド・ユヌスさん)にすこし憧れてはいたんです。しかし、現実問題今すぐに自分が社会起業家にはなれないと思い、とりあえず就職して力をつけようと決めました。それで、3年生のときに就職のために大学も就職に強いほうじゃなかったので、インターンぐらいしておかないと自己PRできないと思い、ETIC.のインターン説明会に参加しました。

そこでETIC.のスタッフの方に「就活のためにインターンするんだった出直してこい」「週3日コミットできないならムリ」と言われ、あきらめました(笑)。でも、漠然と本当に力をつけるなら、ETIC.のインターンでなければならないんだろうなと思ってました。ただ、その時は、週3コミットする勇気が持てませんでした。週3コミットしたら就活に悪い影響があるんじゃないかと思っていたんですね。

この時点では、完全に(世間一般の、ブランド志向型の)就活の成功しか考えていませんでした。その後、外資系金融機関の短期インターンシップをしたり、一週間くらいのインターンをベンチャーでしたり、企業説明会でたり、“いわゆる就活”をしました。そして、3月くらいにITコンサルファームから内定を頂き、4月は大手商社とリクルートだけ受け、内定先に入社しよう決めました。それで4年生の5月から、内定先で、ITの研修が始まったんですけど、僕、実はすごくプログラミングが苦手だったんですね。周りは、めちゃくちゃ頭のいいやつばかり、しかも経験者っていうことで、研修の成績ランキングがエクセルで配られるんですけど、僕は下から2番目でした。この時に、初めて、業務のことは全く考えず、スキルと年収と少々のブランドだけで就職を決めてしまった自分の行動に激しく後悔し始めました。

そんな中、『流学日記』の著者岩本悠さんの講演が自分の大学であって、聞きにいったんです。そこで「『本当に自分の好きなことをやれるか』、で仕事は選びなさい」って言われて「ハッ」と思ったんです。自分は、自分の好きなこととか、想いとかで仕事を選んでこなかったな、と。世間とか家族とか友達の目を気にせず、自分の「欲求」と「性質」に合う仕事を選んでなかったと。自分の欲求や性質に合わないと人間、努力もできないと。それに気付いたので、その日のうちに、もう内定は辞退しようと決めました。そして、休学して就職浪人して自分の欲求にあう仕事を探しながら、成長するためにインターンをしようと決意しました。

Q.インターンをしていて、何が面白かった?やりがいを感じた?

・社長が、自分の考え(営業方法の変更・ダイレクトメールのキャッチコピーとか)を、実際の戦略に取り入れてくれたとき。⇒こういうことが出来た日は、「自分仕事したな~」と思い、疲れが吹っ飛んで帰宅途中も鼻歌混じりで帰りました^^

・大きい契約のアポをとって、それが契約に至り、今現在もお付き合いがあること。

・自分が会社に変化を起こし、それが成果の変化になり、社会にポジティブな変化を生み出したとき。お客さんから「ありがとう」って言われたときは、掛け値なしに仕事してよかったなと思います。

Q.インターンで辛かったこと、悔しかったことは何ですか?

・断られ続けるテレアポは、いい修行になりましたね。忍耐力はあれど、押しの強いほうではなかったので。

・一緒に働いていた人が、リストラされたのは衝撃でした。まして、自分が売っている商品が売れないためにクビになったので、とても罪悪感を感じました。自分の非力を恨み、悔い、自分が経営者になった暁にはリストラは絶対しないし、社員ならさせないし、それだけのチカラを身に付けようと誓いました。

Q.インターンが落合君の人生に与えた影響は何ですか?

・就職観の変化:
Before「ブランド・スキル(年収)至上主義=市場価値はあるか?転職市場で勝ち残れるかとか。」⇒After「自分の強みを生かして、情熱を注げる仕事に就くことが成功」

・”かっこいい“のテイギの変化:
before「結果を出せる人」
⇒after「自分に正直・素直な人(ウソがない)、人を信じる人、想いのある人」
*人をハッピーにするのは、往々にして結果(だけ)じゃなく、思いやりだったりする。

Q.インターンを経て、改めて迎えた2回目の就職活動はどうでしたか?どんな手ごたえを感じましたか?

・明確なやりたいこと(業務レヴェル)、明確なミッション(誰を幸せにしたいか)をもち、就職活動ができた。
手ごたえとしては、インターン先企業が何故か僕のことを評価してくれていたので、それが自信の源となり、「別に企業にこびることはない!」的なノリで面接を受けることができた。

Q.インターンで得たことって何ですか?

■スタンス
1)「できるorできない」は、神の決めること。「やるorやらない」で決める。
2)感謝。生産者がいるから豊かな暮らしができる。両親がいるから大学に通える。
3)失敗はない。あきらめなければ、すべては教訓にすぎない。

■出会い
1)創業を経験した経営者に数多く出会えたこと。彼らに共通する誰にも依存しないマインドに触れたこと。 
2)ETIC.のインターン生で他の企業で抜群の成果を出している人に会っては、自分の甘さ、感謝の念の弱さ、自己中心的な考えのままで他者への貢献という視点が欠落していること、かっこいい生き様、主体的とは・・・etc 数多くの学び、気づきを頂きました。本当に人間的にすばらしい人が集まっていると僕は思います。

Q.そのインターン先を選んだ決め手は何でしたか?

社会的意義と直感

Q.落合くんにとって、「仕事」とは何ですか?

自分が一番得意なこと、すきなこと、熱中できることで、どれだけお客様を喜ばせることができるかを競う競争

Q.休学や就職留年を考えている人にメッセージがあればどうぞ。

「Define your success」
就職も、仕事も、インターンも手段にすぎない。
就職や仕事を目的化した瞬間、僕たちは迷宮入りした人生を歩むことになるでしょう。

もし、人生が二回あるなら、親の見栄のために人生を歩んでもいいかもしれない。
でも、人生は一回。リスクのないチャンスは、きっと何の役にも立ちません。
後悔しないようにしてくださいね。
ちなみに、新卒採用をこんな風にやっているのは日本と韓国だけらしいです。
長期インターンなどの就業体験がないまま、OB訪問でいくら話を聞いたって、就職してミスマッチが起こるのは当然ではないでしょうか。
マイケルグッドウェルは天才には一万時間の修練が必要と言っています。
是非、5~10年連続して働ける仕事を見つけてもらえればと切に想います。

最後に日本の若者的な皆さんへ

日本は、今GDP比180パーセントの長期債務を抱える、赤字大国です。
そしてソニーはサムソンに抜かれ、トヨタはリコール問題。
もうそうした大企業が稼げる保証はないのです。
ということは雇用を生み出せる保証もない。でも、借金は増え続けている。
ということはもちろん、円の価値が暴落する事だって、アルゼンチンやらギリシャやらの例を見ればあり得ます。

是非、危機感を持って、自分の身や大事な人を守るために現状に自覚的でいてほしいです。
僕たちは、生きにくい時代にうまれたのにも関わらず、多額の借金を重荷に生きていかなければなりません。

それを他人事にして、刹那的に生きてみても、いつかは現実問題なんとかしなきゃいけない。
きっと誰かがどうにかしてくれるというような、いじめを傍観しているような態度が元凶なんです。

誰だって、始めから、当事者意識が強いわけじゃない。
積極的な行動が苦手な自分でけっこうだと思います。
でも、そんな自分を生まれ変わらせてくれるもの、それがETIC.のインターンであることは、経験者の活躍を見れば自明だと僕は思います。
これからの時代を創るのに必要なのは、「起業家精神」とETIC.は謳いますが、これは間違いなく正しいでしょう。
是非、勇気を出して、小さな一歩でいいから踏み出してみてほしいと経験者として切に想います。