ETIC.インターンシップフェア

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北畠杏日 さん

大学・学年(インターン当時)
早稲田大学社会科学部2年
インターン先
スリール株式会社
インターン期間
2012年2月~2012年12月
仕事内容
顧客(大学生)の集客、説明会の運営、イベントの企画・運営、その他事務全般

Q.なぜインターンをしようと思ったのですか?
もともとインターンをしたいとは考えていませんでした。 考えられなかったというのが正しいニュアンスかもしれません。なぜなら、当時の自分には企業でインターンするだけのスキルも経験も自信も全くなかったからです。ただ、そんな自分を変えたいとは思っていました。自己顕示欲が人一倍強いにも関わらず、その欲を満たすだけの自信が自分にはなく、日々の生活に物足りなさを感じていました。今のまま学生生活を終えるのは、大学生になった意味がないのでは?とすら考えていました。

そんな時に、自分の興味とぴったり合った今の会社に巡り合い、共感し、ここなら0(ゼロ)からのスタートでも、這い上がっていくだけの労力を費やしても良いかもと直感的に思いました。上述したように、スキルも経験も自信もなかったですが、もし企業がこんな私を受け入れてくれたなら、その恩を仇で返すことだけはしない!と覚悟を決めて、インターンにエントリーしたのを覚えています。

Q.なぜ2年生の春休みにインターンをやろうと思ったのですか?

スキルも経験も自信もなかったと述べましたが、それまでの大学生活、全く何もしてなかったという訳ではありませんでした。1年生から、よさこいのサークルも塾の講師兼チューターのアルバイトも全力でやっていたつもりでした。 そんな中、2年生の早稲田祭後に2年間捧げてきたサークルがひと段落し、ふと次の道を考え始めました。サークルで役職に就き3年間やり通すのか、1年生から続けてきたバイトに大学生活を捧げるか、それとも、何か新しいことを始めるのか…。様々な選択肢が頭の中を巡っていました。最終的に決め手となったのは、自分の奥深くで眠っていた「チャレンジ精神」に気づいた時でした。「新しいことをやりたい」という選択肢が出くるということは、充実しているようで、実はこの現状に満足してないのではないか?と思うようになりした。現状を変えたいなら、全く新しい環境に飛び込み、自分に負荷をかけ、残りの2年間で確固たる何かを残したい。そんなチャレンジ精神が自分の中にあるのだと思いました。 。

Q.インターン先を選んだ決め手、インターン先の事業内容、インターン先でどのような仕事を行ったかを教えてください。

スリールは「ワーク&ライフ・インターン」という事業を展開しています。 ワーク&ライフ・インターンとは、共働きのご家庭に大学生が実際に入っていき、子どもを観ることによって、「働くこと」「家庭を築くこと」をリアルに学んでいく、3ヶ月間のインターンシッププログラムです。学生は子どもを観るという非日常的な経験を通して、子育てを先取りして体験でき、またインターン先の両立しているお母さんの姿を見ることによって、将来に対する不安を解消していくことができます。

私がこのインターン先を選んだのは、自分が持っていた興味とスリールが行っていることとが合致したからです。その興味というのは、「社会に出た女性がキラキラ生きられるように支援したい!」というものでした。働くお母さんを支援しているスリールだったら、女性の様々な生き方を間近で学びながら、支援していけるのではないかと思いました。 また、設立して2年目の若い会社ということもあり、事務局側にインターン生を迎えるのも私が初めてでした。制度も何も整っていない状況で、自分で可能性を切り開いていかなければならないという状況も、私の「チャレンジ精神」をくすぐったように思います。 。

Q.学校との両立はどのようにしましたか?

インターンを始めたのが2月ということもあり、インターンの日程に合わせながら、授業をうまく組むことができたので、両立にはそれほど困りませんでした。平日は週2回出勤することになっていたので、出勤日の曜日を固定にさせてもらって、そこには授業を入れず、朝から夕方まで事務所で仕事をする日にしていました。ただ、アルバイトも続けていましたし、特に定期テスト前などはどうしてもインターンにいけない日もありました。そんな時は「この日は休むかも」と思ったらすぐに上司に相談し、休む日にやるはずだった仕事を前倒ししてやったり、時には夜な夜な自宅で作業したりしていました。少し無理をして自分の限界に挑戦するのも、楽しい経験だったなと思います。

インターン以外のことで多少忙しくても、その時は良い意味で諦めて、「テストが終わったら120%で仕事に取り組もう!」と決めて、けじめをつけて生活していました。あとは遊ぶときは思いっきり遊ぶというオンオフの切り替えも、両立をうまくできた秘訣だと思います。遊ぶときは仕事のことは一切忘れるのがわたし流でした(笑)

Q.インターンをしていて面白かったことや、やりがいを感じたことを教えて下さい。

面白かったのは、イベントの企画・運営でした。 これは準備などがかなり大変な分、達成感も半端じゃなかったです。新規学生獲得のためのイベントなのですが、スリールの魅力を「伝わる」ように「伝える」にはどうすれば良いのか、試行錯誤するのが本当に楽しかったです。反省し次に生かす、その結果成果がでる、という経験は、私にとって確かな自信に繋がっていきました。

あるイベント終了後に、参加者の人から「ワーク&ライフ・インターンって本当に面白そう!私も『自分を変えたい』と思っていたので是非やりたいです。」という言葉をいただけたときには、本当にこの仕事やっていて良かったと感じました。人の成長の一部分に関われる喜び、自分の言葉がすーっと誰かの心に入っていったという実感は、私にとってモチベーションを保つ原動力になっていきました。 また、始めは一人でやっていたイベント運営も2回3回と回数を重ねていくうちに、協力してくれるスリールのOBOGも増え、巻き込み力の大切さを学べたことも大きかったと思います。成果にこだわりつつも、仲間と共に楽しく一つのものを作り上げることは、これからの私の仕事観にも影響してくる貴重な経験になりました。

Q.インターンで辛かったこと、悔しかったことは何ですか?

主に挙げれば二つあります。一つはプレゼン力のなさを指摘された時でした。初めてのイベント運営の時のことです。自分では精一杯を尽くしたつもりだったのですが、参加者の方に「プレゼンぐだぐだだったね」と言われてしまったのです。成果も思うように出ず、自分のスキルのなさ、経験のなさに「やはり、自分には無理だったのだ」とかなり落ち込みました。しかしその後は、上司のプレゼンを耳にタコができるほど聞いたり、プレゼンを積極的に任せてもらったりして、場数を踏みまくりました。あの言葉が無かったら、こんなにプレゼンに注力することはなかったのかもしれないなぁと思います。今ではプレゼンの魅力に取りつかれ、もっとこのスキルを磨いていきたいと思っているぐらいです。

二つ目は「孤独」だったということです。インターンを始めた当初は、代表と取締役と私、三人だけで事務を行っていました。学生は自分一人で、気軽に相談できる人が周りにいない状況は、不安だらけでした。また、仕事も明確には決められていない中で、自分の立ち位置にかなり悩ませられました。「自分はどこまでやっていいのだろう?」と、今思えば野暮なことをひたすら考えていました。前任者も同期もいない一人の状況で、先が見えずもがいていた時はとても辛かったです。しかし、時間が経ってある程度スキルや経験が身に付いたとき、その環境には無限の可能性が広がっていることに気が付きました。「不安」は「自由という喜び」に変わり、最大限自分の力を伸ばせたと思います。

Q.インターンを2年生という早い段階で経験したことで広がった可能性や、その後の学生生活への影響はありますか?

2年生の終わりから3年生の大部分をインターンに費やしたことは、私にとって思いがけず大きな成功でした。なにより、就職活動を前にして「自分の軸」が自然に見えていることは、とても有り難いことです。自分は将来どのような環境で、どのような信念を持って仕事をしていきたいのかを具体的にイメージ出来ることは、納得のいく将来の選択をする上でかなり重要なことだと思います。就職活動を意識して始めたインターンではなかったのですが、結果的にかなり役立っていると思います。

Q.インターンを通して得たものは何ですか?

一言で言うと、「将来の自分の可能性を広げることができた」ということだと思います。  インターン前は自信もなく勝手に自分の可能性を狭めていました。しかし、あえてカオスの中に飛び込んでいく経験をしたことにより、自分の軸を知り、将来を前向きに考えることができています。「自分にはあれは絶対できない」「あれは自分には合わないだろう」ではなくて、「この力をもっと伸ばしたい!」「これが自分にとってやりたいことだ!」というポジティブな考え方へ転換できたことは、大きな収穫です。インターンを始める前、PCスキル、プレゼン力がつくことは想像できたことでしたが、インターンがこんなにも自分の根本を変えるような経験になるとは、思っても見ないことでした。死にもの狂いでやってきた10ヶ月間のご褒美ではないかと思っています。

Q.これからインターンを考えている人にメッセージをお願いします。

「企業でのインターンなんて自分には絶対無理」と決めつけるのはやめて欲しいなと思います。インターン開始当初、私が持っていたのはやる気と覚悟と、チャレンジ精神、あとは「変わりたい」という衝動だけでした。目に見えるものはなに一つとしてありませんでした。もちろん、そんな状況で飛び込んだ訳ですから、上司には相当迷惑をかけましたし、自分自身も初めは後悔ばかりしていました。でも、上司には「いつかきっと私を採用したことを、“成功”だったと思ってもらおう!」、自分自身も「この場に身を置いたことを“成功”だったと思おう!」と考えながら日々を過ごしていました。綺麗じゃなくても、泥臭くても良いのだと思います。その悔しい辛い体験こそが、自分を「変える」ための大切な貯金になっていくのだと思います。

もし、インターンを自分を変える一つの選択肢として考えているのなら、とりあえず自分の今持っているもの全てを懸けて、挑んでみるのも良いのではないでしょうか?きっと、必ず得るものがあると思います。