ETIC.インターンシップフェア

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檜垣祐衣 さん

大学・学年(インターン当時)
立命館アジア太平洋大学3年次を休学
インターン先
NPO法人フローレンス
インターン期間
2011年3月~2012年3月

Q.檜垣さんは、休学インターンに挑戦したのことですが、なぜ休学したの?

一言で言うと長期インターンシップという存在を知ったから、そして直感的に休学をしてでもインターンをしたいと思ったからです。そもそも、インターンとの出会いは大学1年生の春。あるサークルに興味を持ち、そこに所属している先輩に話を聞きに行きました。実はその方が休学インターン経験者で、サークルの話だけでなくインターン中の話もたくさんしてくれました。私はその中で初めて長期インターンシップというもの、Etic.という存在を知りました。当初の目的であるサークルの話よりも、インターンについての話をとてもわくわくしながら聞いた覚えがあります。

休学してインターンしたいとぼんやりと考えながら、でも大学も大好きだったのでやりたいことには挑戦しておもしろそうなことには手を出してみるという2年間を過ごしました。しかし2年がもうすぐ終わるという時期、ふと立ち止まって考えた時に、私はこうして4年間過ごして普通に就職して、それでいいのかと自分に対して疑問が湧いてきました。やっぱり4年間じゃ全然足りない!休学してインターンに挑戦してみたい!一度外に出ていろいろなものを吸収したい!という気持ちになったのです。

Q.休学することに、迷いはありませんでしたか?

私の場合、迷いはありませんでした。私の大学であるAPUは休学者がとても多く、休学費もほとんど掛からずに休学出来たからです。本当に恵まれた環境だと思っています。

Q.休学をするにあたり、何がハードルになりましたか?また、それをどう克服しましたか?

特にハードルに感じたことはないです。あえて言えば周りのみんなが休学して海外留学に行く中で、なぜ私はわざわざ国内でインターンするのかということを友人に説明して理解してもらうのが大変だった、ということぐらいです。

Q.休学中のチャレンジとして、なぜインターンを選んだのですか?

2年が終わりに近づく頃に休学インターンをしようと決めたのですが、実は海外留学の選択肢も捨てきれずにいました。海外留学は大学入学前からの憧れでしたし、ずっと留学に行きたいと考えていただけにとても迷いました。そんな中でなぜ私がインターンを選んだかというと、以下の2つの理由があります。

1.他の人と違うことに挑戦して、自分なりの成長がしたい

2.将来自分が何をしたいか、働くということを通して考えたい

1に関しては、大学内で次々と留学に行く友人を見て自分の中で違和感が起こったことから気付きました。休学してみんな同じように留学して、それなりに語学習得やその他経験をして帰ってくる。そんなみんなと同じような経験で私は自分がしたい成長が出来るのか。満足できるのか。自分の中でいろいろと考えた結果、私は留学ではなくインターンでもっと圧倒的に成長したい、他人と違うことがしたいと思いました。つまりみんなと同じことをして同じような成長をするよりも、自分がこれだ!と感じた方法で自分なりの成長がしたかったということです。

2に関しては、インターン前は将来に対する漠然とした不安が大きすぎて自分が何をしたいか全く見えなかったこともあり、実際に社会にでて働くとはどういうことかを自分自身で体験したいと思いました。インターン前は自分自身が好きではなくて、全然自信がなかった。そんな自分が将来社会の役に立つのか疑問で、不安ばかりがありました。 そんな自分だからこそまず働いてみて、たくさんの人に会って、自分を見つめなおそう。その上で将来何をしたいのか、どういう人間になりたいのか考えたいと思いました。その2つの思いがはっきりしてからは私が休学中に挑戦したいことは留学ではなく、インターンだと決意が固まりました。

Q.インターン先、インターン先の事業内容、そこで取り組んでいる仕事を教えてください。

私は現在NPO法人フローレンスでインターンをしています。フローレンスは働く親が抱える「育児」と「仕事」の両立問題に取り組んでいます。主には病児保育事業を行っています。「病児保育問題」とは子どもが風邪になった時に子どもを預ける場所がなく、会社を突然欠勤してしまい、結果的に解雇や休職に繋がっているという問題です。その他にも様々なサービスを行っていますが、その中でも私は地域の繋がりがない都会の中で問題になっている「孤育て」を地域コミュニティを創ることで解決しようとする新規事業部の立ち上げをしています。具体的には中央区勝どきにある子育てマンションの子育て支援施設での事業部立ち上げ・通常運営業務や・子育てイベントの企画・運営までたくさんのことをしています。

Q.インターンをしていて面白かったことや、やりがいを感じたことを教えて下さい。

インターンの面白さや、やりがいを感じる時は、私の場合は特別にこのプロジェクトが成功したというような成功体験が出来た時ではないと最近感じています。もちろん成功することはうれしいのですが、それはあくまでも結果で、実はそれまでの過程が一番面白くやりがいを感じるのです。それは日々の子ども達の笑顔だったり、社員の方からの褒め言葉だったり、とても納得のいく資料が出来た時だったり、イベントにたくさんの方から申し込みがあった時だったり…。「結果より過程」とよく聞いていましたが、実感出来たのは初めてでした。

また自分たちにとっても相手にとってもプラスになるWIN‐WINの関係が築けたと感じる時はとてもやりがいを感じます。両方が満足出来る結果を出すことは案外むずかしい。だけど考え抜いた先にどちらにとってもプラスになれる結果があると代表や上司と一緒に働く中で感じました。そのようなことを自分が出来た時にはとてもうれしくやりがいを感じます。

Q.インターンで辛かったことや悔しかったことは何ですか?

ふり返ってみると1年間常に悩んでいた気がします。インターンを始めて3カ月目くらいまでは環境に慣れること・学生気分から抜け出すこと・仕事でのストレスのコントロールの仕方などで悩みほとんど毎日泣いていました。ちょうど大地震も重なったこともあり、大学を休学して1人東京に来て周りに頼れる親もいない・友達もいないという環境は自分が想像していたよりも精神的にとても辛かったです。しかし少しずつ仕事にも慣れ、上司の支えもあり、自分がどうすればストレスをためないか自分との付き合い方がわかり出してからは仕事も上手くいくようになりました。

半年を超えてからは「自分がどうか」より「この事業部で私は何の役に立っているのか」という所で悩み辛かったです。ある出来事から私の仕事は結果的に誰のためにもなっていないと気づいたのですが、がんばって来ただけにそれを自分自身で認めるのはとても悔しかったし辛かった。しかしそこを認められたことで以前より様々な視点で今の仕事や自分の状況、そしてプロジェクトに関わってくれる方々のことを考えることが出来るようになりました。インターン中はもちろん辛いことや悔しいことはたくさんあります。でもそれが結果的に自分自身や仕事の仕方に良い結果として表れる。その自分自身の成長を仕事を通して感じられるのはインターンの醍醐味です。

Q.学校との両立ではなく、休学して臨んだからこそ、よかったことはなんですか?

よかったことは仕事にフルコミット出来たことです。知識も経験もない私が何かをするためには何よりも時間が必要でした。社員の方々と信頼関係が築けたことは、皆さんと全く同じ時間を必死に働いて、いろいろなことを共に闘ってきたからだと思っています。

Q.インターンで得たことや、インターンをする前と後で自分が大きく変わったことはなんですか?

インターンで得たこと・自分が変わったことは本当にたくさんあります。いろんな変化はありますが、インターン前にいつも感じていた将来に対する漠然とした不安はなくなりました。もちろんまだ不安はありますが、今は行動すれば様々なことが見えてくる・いろんな人と機会に繋がることが出来る、そしてその経験がいつか自分の未来に繋がっていくと感じています。自分自身の可能性を信じることが出来るようになったし、前向きにいろいろなことに挑戦できるようになりました。

Q.休学を考えている人にメッセージをお願いします。

成長する方法は様々で、今目の前にはたくさんの選択肢が広がっていると思います。休学インターンをするということが、今のあなたにとってベストではないかもしれません。でも考え抜いた先に休学インターンがあれば、他には何も迷うことはないと思います。大学によって費用面で違いはありますが、休学するというのはあまり難しいことではないと感じます。学生をちょっとお休みして自分自身に磨きをかけ自信を持って社会に出るのと、無難にそのまま学校で過ごして将来のことも働くことも想像がつかないままに就職するのと、どっちがその後の何十年間楽しいのでしょうか。私の両親は「若いうちの1年なんていくらでも取り戻せるよ」と言って私の背中を押してくれました。若いうちのたった1年、やってみたいことがあるならば挑戦すればいいと思います。思いきって踏み出す一歩がどんなに大切か私はこの1年間で気づかされました。失敗を恐れて踏み出さないよりも、一歩踏み出してみる。自分の想いを口にすると案外たくさんの人が応援してくれますよ。