ETIC.インターンシップフェア

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久保絵里香 さん

大学・学年(インターン当時)
早稲田大学教育学部2年
インターン先
NPO法人かものはしプロジェクト
インターン期間
2011年3月~2011年10月
仕事内容
企業協同キャンペーン担当、SNS運営担当

Q.なぜインターンをしようと思ったのですか?

“逃げない経験”がしたかったからです。私はこれまで全力を出してもかなわないかもしれないようなチャレンジングなものは避けて通る人生を歩んできました。
実は高校生のときに留学のチャンスがあり、試験の結果、特待生として派遣されるチャンスを得ることができたにもかかわらず、直前で棄権しチャンスをふいにしてしまったことがありました。結果的に早稲田に入れたのだからよかったんじゃないか、と自分に言い訳をして納得したつもりでいました。でも心のどこかで、あの時行っていたらと思う気持ちも常にありました。だから、留学にも負けない経験をしようと大学に入ってからはいろいろなものに挑戦してきました。その中でも長期インターンは私にとってもっともチャレンジングなものでした。今逃げたら結局そのまま就職して、なんとなくそれなりに頑張ったなで終わる大学生活になる気がしました。だから、私としてはかなりの勇気が必要だったのですが、インターンに挑戦することにしました。

Q.なぜ2年生の春休みにインターンをやろうと思ったのですか?

2年生のうちにインターンに挑戦しようと思った理由は二点あり、二点とも私が漠然と就活は3年生から始まるものだ、と思っていたことに起因しています。一点目は”仕事をする”とはどういうことなのか知りたかった、ということです。2年生ももうすぐ終わるという時期になって、ふと”仕事をする”とはどういうことなのかまったくイメージがわかないことに気付きました。専門職以外の人々がオフィスで毎日何をしているのか、正直なところ全くイメージがわかず、就職活動といっても先輩たちは何を基準に仕事を選んでいるんだろうと不思議な気持ちでした。そこで3年生になる前に直接間近で見て知りたいと思ってインターンに応募しました。二点目は自分の強みといえるものを見つけたかった、ということです。サークル活動等を通してこれは人と比べても強みといえるのではないか、というものは見えていた気がしていたのですが、それがビジネスの場でも通用するものなのかは当時の私にはわかりませんでした。ビジネスの現場に飛び込むインターンの経験を通じ、自分の強みはこれです!と自信を持っていえるものを見つける、もしくは作りたいなと思い、2年生の春休みに挑戦することに決めました。

Q.インターン先を選んだ決め手、インターン先の事業内容、インターン先でどのような仕事を行ったかを教えてください。

かものはしプロジェクトは、世界中の子どもたちが売られる問題の解決をめざすNPO法人です。現在はカンボジアで子どもを売らせない、買わせない活動を行っています。売らせない活動として、親に仕事を提供することで子どもを売らずにすむよう手芸品の工房を運営し、買わせない活動として内務省と提携した警察訓練プログラムの支援、孤児院支援を行っています。私はその中で資金確保の一手段として行われている企業協同キャンペーンと、SNSを利用した広報を担当していました。企業協同キャンペーンでは、かものはしだけでなく相手の企業にとってもWINなキャンペーンとなるように相手のニーズを聞いたうえで、それにかなうキャンペーンを提案したり、始まったキャンペーンが成功するよう広報戦略の立案実行をしていました。SNS広報ではより多くの人にかものはしのことを知っていただき、親しみを持っていただくこと、そして会員登録やイベント参加などのアクションを起こしていただくことを目指し毎日更新を重ねました。

Q.学校との両立はどのようにしましたか?

火曜日全日、水曜日と金曜日の午後をインターンにあてていました。水曜日と金曜日は授業もありましたが、私の中ではインターンの日としてとらえ、火水金はインターンに集中する意識で取り組んでいました。曜日によって意識を切り替えることで両立していたように思います。しかし精神的にはあまりうまく両立できたとはいえないかもしれません。特に前期のテスト期間は、レポートやテスト勉強に追われながらインターン業務をこなしていたため、いつも何かに追われている感覚がありかなりつらかったです。インターン日と決めた日には授業をいれず、きっちりと授業日とインターン日を分けたほうが精神的な余裕はできたかなと思います。

Q.インターンをしていて、何が面白かったですか?どんなことにやりがいを感じましたか?

“広報は人とつながる活動”だということを感じることができたことです。SNSを使った広報では、こちらが発信した情報にすぐにユーザーから反応があるところがそのほかの広報とは異なるところです。たとえばツイッターでは、かものはしの業務的に必ずつぶやかなければいけないブログ更新のお知らせ等が主なつぶやき内容になるのですが、たまに私がかものはしに親しみを持ってもらえるように、という願いをこめたツイートを投稿することがありました。そうして”届け!”という思いをこめて投げたツイートに反応があると、パソコンの前で小躍りしたくなるくらいうれしかったです。(実際に踊ったこともあります笑)広報はこちらから不特定多数の人に向けて”情報を投げる”もの、というイメージが強かったのですが、SNS運営を通じて広報とは一人ひとりに向けて”情報を届ける”もの、と思うことができるようになりました。そこに面白さとやりがいを感じました。

Q.インターンで辛かったこと、悔しかったことは何ですか?

テスト期間の常に何かに追われる感はつらかったです。インターンのタスクに加え、学校のタスクも増えたときにタスクやスケジュールの管理が甘くなってしまい、ルーティンのタスクを忘れてしまったり、締め切りに間に合わなかったりしたこともありました。そんな時には悔しさが重なり、つらさも増しました。抜け漏れなくタスクを管理する方法を確立できるようになったと思えるようになったのは最後の2ヶ月ほどだったように思います。結局最後の最後までぬけもれなくタスクをこなすことは課題で、完璧にできたと自信を持って卒業することができなかったことが一番悔しいです。

Q.インターンを通して得たものは何ですか?

インターンを通して得たものは本当にたくさんあるのですが、一番大きなものは”一歩踏み出す勇気”です。もともと私は困難に挑戦することが苦手で、できることなら避けて通りたいと思ってしまう性質がありました。それだけでなく、新しいコミュニティに参加したり、知らない場所に出かけることもどちらかといえば苦手でした。ですが、インターンを通し強制的に色々なところに電話をかけたり、知らない場所に出向いたりする経験を重ねることで、知らない世界に飛び出すことに対する精神的な壁がだんだんと薄くなっていきました。一歩踏み出す勇気を持てるようになったことでいろいろな出会いも得られるようになり、自分にとって有益な情報が集まりやすくなり、人脈も広がりました。

Q.これからインターンを考えている人にメッセージをお願いします。

これまでの人生、強制的に限界に挑戦しなければならなかったことって、あったでしょうか?私はありませんでした。いつも挑戦することを決めるのは自分で、それゆえに逃げようと思えばいつでも逃げることができる状況の中で生きてきました。初めて逃げたくても逃げられない経験をしたのが、このインターンでした。自分のその場の感情よりも組織の利益を優先し努力することは、結果として自分の成長につながります。きつくても、逃げたくても、逃げずに挑み続けると得られるものが絶対にあります。今まで知らなかった自分に気付き、新たな自分を得ることができる経験を、ぜひあなたも!